法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 二十六日

    本物の教え

諸経与法華経難易事 祖寿五十九歳 於身延 富木常忍宛

仏法ようやく顛倒しければ、世間もまた濁乱せり。
仏法は体のごとし、世間はかげのごとし。
体曲れば影ななめなり。

現代語訳
仏法が誤って広まっている故に、今の世の中が濁り乱れているのである。仏法はすべての本体であり、世間はそれによってできる影である。体曲れば、当然できる影も斜めになってしまうものである。

今日の糧

本物は理解しづらく、偽物は手頃で飛びつき易い。
これが世の常なのかも知れません。
しかし、後になってみないとそれがわからないのも人間の悲しさでしょう。
真偽を見極める心眼は、お題目によって養われた智慧からしか生まれないのです。

諸経与法華経難易事
本書は富木氏が法華経に説かれる「難信難解」について質問したことに対する返書。法華経とその他のお経を比べた時、法華経は最も信じ難く理解し難いお経である。その理由は法華経にはお釈迦様の本心がそのまま説かれている為である。その法華経こそが今、この末法を救う唯一の教えである。ところが、この難信難解のために法華経を避けて他の教えを信じる者が多く、それがかえって大きな過ちを犯していることに気付いていない、と指南されている。この一節はその戒めのお言葉である。