法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 十三日

    お盆は好機

盂蘭盆御書 祖寿五十九歳 於身延 治部房日位祖母宛

悪の中の大悪は、我が身にその苦をうくるのみならず、子と孫と末え七代までも、かかり候いけるなり。
善の中の大善も、またまたかくのごとし。
目連尊者が法華経を信じまいらせし大善は、我が身仏になるのみならず、父母仏になり給う。
上七代下七代、上無量生下無量生の父母等存外に仏となり給う。

現代語訳
悪の中の大悪は、我が身にその苦の報いを受けるだけではなく、子から孫へと七代先まで受けることになる。その反対に善の中の大善もまた同様である。目連尊者が法華経を信じることによって積んだ大善の功徳は、我が身が成仏するのみならず父母もまた成仏できたのである。そればかりか上は七代の祖先、下は七代の子孫、さらには無量の父母先祖、子孫がすべて予期せずして成仏できたのである。

今日の糧

私のいのちは両親から頂いた命。ご先祖から頂いた命。
お題目の力で私の命が輝く。私が輝く時、両親が輝く。私が輝く時、ご先祖も輝く。
その時、すべての命が輝く。お盆はその命に気づく好機なのです。

治部房日位
大聖人の高弟の一人で、駿河国庵原郡(静岡市)南条平七郎の子と伝えられる。本書はその祖母に与えられたお手紙で盂蘭盆の供養品への返礼を述べ、さらに盂蘭盆の起源や意義を説かれている。

目連尊者
釈尊の十大弟子の一人。盂蘭盆の起源は目連尊者が餓鬼道に堕ちた母を救おうとした故事に由来する。この一節は目連尊者が小乗の教えを捨てて法華経を信じた功徳によって自身が成仏し、同時に両親をはじめ先祖、子孫も成仏できたことを説かれている。